吉野雄輔  Yusuke Yoshino

海のカメラマン

1954年、東京都生まれ。大学卒業後、アジア、南太平洋、南北アメリカ、カリブ海、インド洋など世界の海をダイビング放浪。帰国後、スタジオアシスタントを経て独立。NHK「海のシルクロード」の水中スチール班としてシリアへ遠征するなど、訪れた国はおよそ80か国。近年はキャンピングカーを使って全国各地へ赴き長期滞在、日本の海を撮影している。著書は『海の本』『世界で一番美しい海のいきもの図鑑』『ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚』『たくさんのふしぎ』など多数。
 
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バキュームリークセンサーの恩恵

多くのカメラマンが言うように、バキュームリークセンサーのシステムはすごいですよ。ハウジングの内部を陰圧にすれば水漏れをチェックできるということは理屈としてわかっていても、それをきちん製品化して、しかもLEDインジケーターで表示してくれるのはものすごくありがたい機能。理論的には絶対に水没しません。
水没テストで水槽にハウジングを沈めておいて水没させたアマチュアを見かけることもありますが、プロと違ってハウジングを1台しか持っていないアマチュアは、旅先でその1台が水没したらツアーは台無しでしょう。この機能は特にありがたいと思います。

カタログでは見えない実用性

Nauticamのハウジングは進化を続けてますね。発売当初は重量がネックでしたが、最新機種はずいぶん軽くなりました。他にもいろいろな意味で進化しているところは多いです。
ポート交換が簡単なのもいいと思います。交換はワンタッチみたいなものだから、ボート上でも簡単です。ハウジング1台で1ダイブ目はワイド、2ダイブ目はマクロという使い方が無理なくできるわけですね。カタログ上のデータではなくて、こうした使いやすさが実用レベルになっているのはすごくいいです。実際に楽だったり気を使わなくてすむのは、水中撮影では大きなメリットです。

確実なカメラ固定が精度の礎

カメラは次々に新製品が発売されますから、ハウジングにそれほどの耐久性を求めてはいません。5年持てばいいと思っています。それよりも、ギアが正確に作動することや故障・ロスがないことのほうが重要です。
Nauticamはきちんとした工場で生産された工業製品で、ハウジングの中でカメラがきっちりと固定されます。そこがブレがないから、すべてが正確に動く。ギアの噛み合わせやポート交換をあの精度で実現できる理由はそこですね。だからこそ、シャッターのシステムには、改善の余地がまだあると実は思っていまして、今後のさらなる進化に期待しています。

WORKS

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美しいハナガサクラゲですが、きれいに触手を伸ばしていることは意外に少ないものです。天気がよくワイドレンズで撮影したいところでしたが、60mmマクロしか持っていませんでした。マクロレンズで、背景の景色と海の青をできるだけ取り込んだこんな写真も悪くないですね。

 
・ハウジング:NA D850
・カメラ:Nikon D850
・レンズ:Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED


水深1mに棲むヒレナガカエルウオ。背景はちょうどいい具合の海藻。さらに天気がよかったので、強い逆光を利用することにしました。顔が暗くならない範囲で海藻の緑を明るめに仕上げるために、ストロボを少し弱めに発光するように補正。NA D850の補正の容易さが助けになりました。あとはいい表情をしてくれるのを待つだけでした。

 
・ハウジング:NA D850
・カメラ:Nikon D850
・レンズ:Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED


キアンコウの幼魚は大人気で、あっという間に周りに人が集まります。こうなるとワイド撮影は困難。マクロでも人物が写り込んでしまうので、開き直って他人を利用することにしました。友人のライトをバックライティングに利用。左手には別のダイバーのドームポートが迫っていたので、その反射も利用。背後からの光を中心に魚の半透明な感じを表現するため、自分のストロボはかなり弱く発光させています。

 
・ハウジング:NA D850
・カメラ:Nikon D850
・レンズ:Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

MATERIALS 

吉野雄輔さん愛用Nauticam

NA D850 for Nikon D850

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